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現場は三幕劇。どの幕も、手を抜けない。
現場はひとつの流れに見えて、実は大きく三つのフェーズに分かれている。フェーズ1は設備・電気・下地工事。壁の中に血管が走るように、仕上げには見えない骨格がつくられる段階だ。フェーズ2は仕上げ工事——塗装・クロス・床材等の施工。ここで初めて空間の「顔」が現れる。フェーズ3は造作物の搬入・什器設置。完成品が現場に収まるクライマックスだ。現場は三幕劇のように進んでいく。この三幕劇で重要なのは、次の幕へ移行するタイミングで、前の幕を確実に「終わらせる」こと。配線の取り合い、下地の精度、什器の固定方法——どれもひとつ前の工程で決まっている。一幕目の問題点は、三幕目になって初めて目に見えるかたちで現れることもある。問題は、早い段階ほど直しやすい。現場監督の仕事とは、三つの幕すべてで同じ緊張感を保ち続けること、そして各幕の終わりに、「次へ進めるサイン」を必ず入れることである。